UKの極上ラウンジ・バンドによる記念すべき10作目は、同名舞台劇のサントラ的な内容となった。もともと夢見心地の楽園世界を創出することに長けた彼らだが、物語を織り成す登場人物6名の目線から紡がれた収録曲は、いつになく輪郭の定まったサウンドのようでいて、やはりどこか朧げな、非現実的な色彩に包まれている。淡い酩酊感を伴った美しすぎるメロディーの連続に酔いしれる以外ない、期待通りの名品。