前作『シュニトケ:ピアノ作品全集(2014年)』で作曲者を見事に浮き彫りにしたサイモン・スミス。そんな彼が次に選んだのは近年日本でも根強い人気のシルヴェストロフ。ピアノ作品の録音はいくつかあるが、今作のような「ピアノ・ソナタ」に注目した盤は非常に珍しい。「第1番」から「第3番」のソナタは厳かな響きを効かせてくるかと思えば、「古典ソナタ」では一転して古典のあっけらかんとした明るさも魅せてくる。シュニトケもそうだったが、なかなか他では聴くことのできないレパートリー、そしてそれを生気あふれる演奏で聴かせてくれるからこそ、僕は彼の音楽を愛さずにはいられない。

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