数多の劇伴CM音楽を手掛ける井筒昭雄のソロ・ユニットが、実に13年ぶりの新作を上梓。変幻自在の旋律を紡ぎながら、多重録音によってヒップホップ経由のグルーヴやエキゾモンドな要素を注いだ音世界は、ポップでいて掴みどころがない。細野晴臣の初期作やceroの近作に通じる感触と、それらに比肩する完成度を備えた傑作だ。なお、井筒が参画したLEMOの2009年作『FANTAG-ENIUS』の全国流通もスタート。