レバノン出身パリ在住のアラビック・トランペット奏者がアラブ歌謡の女王ウム・クルスームに捧げた作品と同時にインパルスより発表した作品。こちらは彼の家族を始め現代を強く生きる女性たちに捧げられている。ビヨンセのカヴァーも含むその楽曲群は複雑なリズムの構造などをそう感じさせないようなスタイリッシュかつポップな音作りがなされ、それを特徴づけるようなエリック・レニーニによるエレクトリックな鍵盤が気持ち良い。得意のロックのダイナミズム溢れるミクスチャー・サウンドも健在で、微分音を駆使したペットが火を吹けばどんなに洗練されようともイブラヒム・サウンドに仕上がる点が痛快である。