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早くも今年のベスト・ライヴ!? 初来日のイベイーが独創的なパフォーマンスで魅了した、アニエスベー主催イヴェントをレポ

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  • 2016.03.04
早くも今年のベスト・ライヴ!? 初来日のイベイーが独創的なパフォーマンスで魅了した、アニエスベー主催イヴェントをレポ

フレンチ・キューバンを出自とする、ナオミ・ディアズリサ・カインデ・ディアズの双子デュオ=イベイーが初来日! それに伴い、アニエスベーが2人の出演するエクスクルーシヴ・イヴェントを企画し、2016年春夏コレクション〈I love flowers!!〉キャンペーンのローンチ・パーティーとして開催されました。神秘的かつエネルギッシュなライヴは、翌3月1日のBillboard-LIVE TOKYO公演と共に〈早くも今年のベスト〉なんて感想も聞こえてくるほどで、会場のアニエスベー青山店に招待されたファッション・音楽関係者など約100名のゲストも大賑わい。同日の昼にアニエスベー銀座Rue du Jour店で行われた公開インタヴューの録画映像と共に、その模様はタワーレコードのストリーミング・メディア〈タワレボ〉で同時配信され、累計視聴者数が16万回を突破する大ヒットとなりました。そこで今回は、筆者が聞き手役を務めた公開インタヴューでの発言を織り交ぜながら、当日の模様をレポートします。

 


 

まずは、2015年のファースト・アルバム『Ibeyi』でオリジナルな音世界を築き上げたイベイーと、人気ブランドであるアニエスベーの接点から。両者の縁については遡ること1年前。アニエスベーの2015-16年秋冬レディース・コレクションのランウェイにて、イベイーが“River”をアカペラで披露したのが最初でした。そのときの映像がこちら。

「アニエスベーのファッション・ショーに選ばれて、そこで知り合ったの。あのときは私たちも歌いながらランウェイを歩かせてもらったんだけど、ファッション関係でのパフォーマンスは初めてだから緊張したし、モデルたちが白鳥みたいに歩いていくなかで、自分たちの足取りがまるで象のように思えたわ(笑)。でも最高の経験だったし、アニエス・ベー本人にもすっかり魅了されちゃった。彼女はファッション業界でもベストな女性の一人! デザインから何からすべてを手掛けているうえに、ファッションの世界でミュージシャンが表現できる場所を作ろうとしてきた。そういう姿勢を以前から尊敬していたの」(リサ・カインデ)

インタヴューの光景。写真中央に映るイベイーとの数量限定コラボレーション・トートバッグは、アニエスベー青山店、銀座Rue du Jour店、ボヤージュ表参道店にて販売

 

この日の衣装も、アニエスベーのコレクションから本人たちがセレクト。「ファッション自体は好きだけど、自分の体型がカーヴィーだから服を着こなすのが苦手なの。でも、アニエスベーの服はシルエットを素敵に見せてくれるから大好き」(リサ・カインデ)とのことで、愛らしいルックスとエキゾティックなオーラを際立たせる黒のアウターに、花柄を上手く採り入れたコーディネートも素敵でした。

さらに、フラワー・モチーフのアイテムをフィーチャーした〈I love flowers!!〉のパーティーを彩るため、〈表現としての食〉を掲げる諏訪綾子氏が主宰するfood creationが用意したのは、なんと花のフード・プレゼンテーション。テーブルの上で鮮やかに咲き誇る花々が、どれも食べられるのだから驚きです。添えられたイチゴやマスカット、マカロンとの自然で上質な口当たりも感動的で、モエ・エ・シャンドンのシャンパンと共に、会場のテンションを盛り立ててくれました。

そして時刻は19時40分、いよいよイベイーが登場! ライヴは前後半の2セット構成で、向かい合った2人がユニゾンを披露する“Eleggua”からスタートしました。その歌声がどこか神秘的に響くのは、同曲がヨルバの言語で歌われているのも大いに関係あるはず。本人たちもMCで紹介していたように、西アフリカから連れてこられた奴隷たちがキューバで築いたのがヨルバの文化。先祖代々受け継がれているチャントも、イベイーの音楽に独自性をもたらしています(こういったルーツの話をすることを、彼女たちは大切に心掛けている印象でした)。

民族的なバックグラウンドと共に、彼女たちの表現にとってキーとなるのが、21歳ならではのフレッシュな感性。下手に立つリサ・カインデが鍵盤を弾き、上手のナオミがカホンやバタドラム、サンプラーを操るという最小限の編成から、ダブステップを思わせるリフが飛び出したかと思えば、胸や太腿など自分の身体もパーカッシヴに叩いてビートを重ね、ミニマムなグルーヴを生み出してみせるなど驚きの連続。そういった独創的なリズムに、エフェクトを巧みに操って構築されるモダンな音響と、心地良い余韻をもたらすヴォーカル・ハーモニーが重なるという、あまりにもオリジナリティー溢れるパフォーマンスに気が付けば夢中になっていました。

このように、ジャンルや国境から歴史的背景まで、あらゆるカルチャーの文脈をフラットに交錯させた音楽性を、彼女たち自身は〈コンテンポラリー・スピリチュアル〉と呼んでおり、ナオミはヒップホップが大好きで、リサ・カインデも古いジャズと共にジェネイ・アイコボン・イヴェールをお気に入りに挙げるなど、90年代生まれらしい等身大な趣味嗜好についてもインタヴューで語っていました。

開演前や転換中に流れていた、イベイー選曲のミックステープ。自身のナンバーにジェイムズ・ブレイクやケンドリック・ラマー、ミシェル・ンデゲオチェロにケイト・ブッシュなど幅広くセレクト

 

“River”での最小限の音数が生み出すリズミカルなグルーヴや、多重コーラスで荘厳なハーモニーをもたらす“Oya”、ジェイムズ・ブレイク以降のハイブリッド・ソウルに接近したジェイ・エレクトロニカ“Better In Tune With The Infinite”のカヴァーなど、ハイライトを挙げればキリがないのですが、特筆すべきは “I’m On My Way”でしょう。これは当初セットリストに含まれてなかった新曲で、2人がコール&レスポンスを煽ると大合唱が巻き起こり、開放的なムードがフロアに広がっていったのが印象的です。

前後半の2セットで計13曲を披露し、声を発するように歌い、笑うように楽器が鳴り響くチャーミング極まりないライヴが終わると、拍手と歓声がしばらく鳴り止みませんでした。こういう光景がファッションの現場から生まれるというのも最高だし、何より本当に楽しかったので、イベイーの再来日にも期待したいです!

今回のイヴェントで披露された楽曲を完全収録したライヴ映像。感動をもう一度味わいたい方も、この記事で興味を持った方もぜひ! 

 

SETLIST

〈1st set〉
1.Eleggua
2.Lost In My Mind
3.Mama Says
4.River
5.Faithful
6.Think Of You 

〈2nd set〉
1.Oya
2.Fly
3.Better In Tune With The Infinite(Exhibit Diaz)
4.I’m On My Way
5.Weatherman
6.Chains
7.Ibeyi

アニエスベー〈I love flowers!!〉キャンペーン 

デザイナーのアニエス・ベーが日常や旅先で撮影した花の写真を転写したフォトプリント・シリーズや、フラワープリントやフラワーモチーフのアイテムにフィーチャーした〈I love flowers!!〉キャンペーンを開催します。
開催期間:2016年3月2日(水)~4月5日(火)
★詳細はこちら

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