扇遊さんによる朝日名人会シリーズ4枚目のアルバム。「三井の大黒」は、師匠である扇橋が大切にしていたネタであり、その最初の師匠三代目桂三木助の得意演目で、入船亭のお家芸として弟子たちが後世に伝え残していきたいというもの。師匠扇橋の悠々とした懐の深い甚五郎に挑み続けてきた扇遊さんが、還暦を過ぎて描く甚五郎像ははたして。「人形買い」は、寄席でよくやっているという前半部分に厄介だという後半部分も含めた、めずらしい通し口演です。やっている本人もよくわからないという後半ですが、扇遊さんならではといえる軽快なテンポで心地よく聴かせていただきました。