「アメリカン・アイドル」第12シーズンの勝者、キャンディス・グローヴァーのファースト・アルバム。ジャズミン・サリヴァン作のリード・シングル“Cried”を筆頭に、豪快に歌い上げる彼女の持ち味を目一杯に引き出した内容は、これぞソウル・ヴォーカルの醍醐味といえるもの。ランディ・ジャクソンが〈番組史上最高のパフォーマンス〉と激賞したキュアー“Lovesong”のカヴァーも聴くことができる。そのほか、シャバ・ランクス“Ting-A-Ling”を引用した“In The Middle”やスクリュー・ヴォイスをフィーチャーした“Coulda Been Me”のような曲もあるが、アルバムの全編にはほのかなリズム&ブルース臭が漂っていて、それがまたキャンディスの真摯な歌心を強調しているところがある。