KULA SHAKER
『K』の続編を携えて君主の座を奪還するぞ!

 90年代のUKシーンにおいてひときわ異彩を放ったバンド、それがクーラ・シェイカーだ。9世紀のインドの皇帝から名前を拝借した彼らは、サイケデリック・サイドのレッド・ツェッペリンを手本に、東洋フレイヴァーをブレンドしながらグルーヴィーなギター・ロックを展開。クリスピアン・ミルズ(ヴォーカル/ギター)の王子様系ルックスも相まって、爆発的な人気を獲得する。しかし、2枚のアルバムを残してあっさり解散し、その後はジーヴァスジョニー・マー&ザ・ヒーラーズなどでそれぞれ実力を発揮。そして、2006年のリユニオン後は超マイペースに活動を継続してきた。

KULA SHAKER K 2.0 Strangefolk/ソニー(2016)

 そんな彼らがアルバム・デビュー20周年を記念して、その続編的な新作『K 2.0』をリリースした。シタールの妖しい幕開けから、これぞクーラ・シェイカーだ!と言わんばかりに、ラーガ・ロックやヴードゥー・ゴスペルなど、〈らしさ〉炸裂のナンバーを次々に投入。円熟した歌声が心に響き渡り、中盤の内省的なバラードも迫力と説得力たっぷりである。期せずしてブリット・ポップ・リヴァイヴァルに沸く英国ロック界。この4人がふたたび黄金時代を迎えるのに、これ以上ないタイミングだと思わないか?