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洋楽アーティストのブレイクの糸口はTVCMにあり!?

 リリースから1年半が過ぎていたにもかかわらず、〈桃太郎〉を実写化したペプシコーラのCMが流れるやいなや、ヘヴィーの『The Glorious Dead』が爆発的にヒットしたのを目の当たりにして、〈いまだにTVの影響力は大きいんだな~〉と実感させられた2014年。

ヘヴィーの2012年作『The Glorious Dead』収録曲“Same Ol'”
 

 同様に、カーリー・レイ・ジェプセンファンロンドン・グラマーが日本でブレイクしたきっかけはTVCMでしたし、今年に入っても、深キョン主演ドラマ「ダメな私に恋してください」の挿入歌=ジェス・グリンの“Hold My Hand”が、aikoの主題歌を差し置いて同番組のCMに使われた際、〈お問い合わせが殺到したんですよ!〉と、タワレコの店舗スタッフが教えてくれました。

ジェス・グリンの2015年作『I Cry When I Laugh』収録曲“Hold My Hand”
 

 いま挙げた例は、各々が注目のニューカマーとして世界的に注目されていた時期に重なる起用ですが、〈Google検索 夏のお出かけ篇〉に曲を書き下ろしたクリストファー・チュウポップ・エトセトラ)、2月末に解禁されたキユーピーの新ヴァージョンCMも好評のコンピューター・マジック、アルバム・デビューの1年前にスズキ ワゴンRのバックで華麗な走りを見せていたマデオンなど、本国に先駆けて日本のお茶の間に名前を広めたアーティストもチラホラ存在。また、キシ・バシマイア・ヒラサワの才能をいち早く拾った花王エッセンシャルのCMには、〈次は誰の曲をフィーチャーするの!?〉と、それこそ一時のApple社みたいに、早耳リスナーから熱視線が注がれていましたっけ。

マデオンの2015年作『Adventure』の日本盤にボーナス・トラックとして収録されている“Finale”
 

 しかし、こうしたケースはわが国の広告業界全体から見ると少ないのもまた事実。いつまで経ってもT・レックス“20th Century Boy”やデレク&ザ・ドミノス“Layla”、ローリング・ストーンズティアーズ・フォー・フィアーズのあれこれを使い回し、はたまた高い使用料を払って(!?)テイラー・スウィフトなど大スターの曲を……といった状況が続いています。CMクリエイターや代理店の皆さん、若手にもどんどん光を当てて、一緒に洋楽市場を盛り上げていきましょうよ!