2004年の再結成以来、〈フジロック〉への出演など話題に事欠かなかった彼らだが、スタジオ・アルバムとしては何と23年ぶり。キム・ディールの脱退、キム・シャタックマフス)の加入&脱退を経て、パズ・レンチャンティン(元ズワン)が正式に加わり、本作でようやく完全復活宣言に至ったと受け取って差し支えないだろう。プロデュースは3作目『Doolittle』以降、密に絡んできたギル・ノートン。緊張感漲るドラムにせよ、良い意味で粗っぽいギターにせよ、往時のままの挑戦的な雰囲気がある。時にはナイーヴに、時にはポップに爆発するそんな〈ピクシーズ節〉に枯れや老成は無縁で、そこが素晴らしい。この〈THEオルタナグランジ〉なサウンドを引っ提げての〈サマソニ〉公演も楽しみだ。