現代ジャズにおいて最も重要なピアニストの一人、ヴィジェイ・アイヤーにとって、70年代からフリージャズの第一線を張るトランペッター、レオ・スミスはそのゴールデン・カルテットでフックアップされたこともあり、師匠のような存在であると語る。レオ・スミスにとっては実に13年ぶりのECMだが、そもそも禅、あるいはDUB的隙間の美学に貫かれた作品を多くリリースしていることもあり相性はバッチリ。ヴィジェイはアコースティックとローズ、エレクトロニクスを使い分けアンビエントなタッチで呼応する。師弟の対話は静かに確実に音を配置し、美しくイマジネイティヴな内的宇宙を広げていく。