ぽっちゃり讃歌“All About That Bass”で一躍人気者となった歌姫が第2章に突入。前作『Title』で大役を担っていたケヴィン・カディッシュから、リッキー・リードを中心にした複数名のプロデュース体制へとシフト。その成果はすでにヒット中の“No”でも証明済みだが、その曲と同様に90年代のヒップホップ・ソウル味をなめした冒頭曲、ヨー・ゴッティを迎えてのデジタル・ダンスホール“Better”など、今回はビートへのこだわりがより明快かつ効果的だ。また、ランチマネー・ルイスとの掛け合いが楽しい“I Love Me”を筆頭に、前作の延長線上にあるようなレトロ・ムードも健在。母との会話を活かした“Mom”や父を茶化した“Dance Like Yo Daddy”では両親への愛情をたっぷり表現し、〈私は爪先に手が届かないけど〉といったおデブちゃんジョークも炸裂。自身をここまで肯定できると、聴いている側も勇気付けられる!? 相変わらず器用でポジティヴ。絶好調ぶりが全開である。