人情噺の古典をじっくり語られるのが苦手という人種もおります(落語に清々しいまでのフィクション性を求めてる御仁に多い)。その点今回遂にCD化された一之輔のそれ(「芝浜」前日譚として創作された「芝ノ浜由縁初鰹」)は安心して落語ならではのフィクション性、ファンタジーたっぷりの快作につきご安心下さい。この痛快なまでの大江戸ドタバタ笑劇場があればこその本編「芝浜」でのじっくりオーソドックスな語り口が、人情噺苦手な身にもなぜか胸に染みてきたりするからあら不思議。「毎回変わりますので」とご本人公言してるのでCDだけでなく無論生ライヴ体験も欠かせませんよ。