2016.07.11

初の日比谷野音ワンマンや、映画初出演といったトピックに加え、TV番組「フリースタイルダンジョン」の〈ラスボス〉として存在感を知らしめるなど、前作『#バースデー』以降もさまざまな動きを見せた般若。2年ぶりの新作は、表と裏、現実と夢を見つめる冷ややかな視線にシニカルな毒、ユーモアが合わさった般若ワールド全開の内容だ。彼にしか書けないパンチラインをこともなげに詰め込んでタイトルを地で行く“我覇者なり”をはじめ、“自己紹介”、そして同業者を斬る“寝言”と、余裕綽々なラップはのっけから快調。“覚悟完了”や“2200年”ではロックなオケにも乗ってみせ、件の番組における焚巻とのバトルの後で一気に書き上げたという“あの頃じゃねえ”では、歩んだ道を語るマイクがいっそう力を増す。ウェッサイなオケでR-指定と絡んだ“たちがわるい”も顕著なひとつとして、家庭を持った幸せに収まるどころか、強さも脆さも、サイテーぶりさえも晒し、枠を越えんとする意志を示したアルバムだ。

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