INTERVIEW

ブライアン・ブロンバーグがリズム・セクションをすべてこなす、ジャズ本来の魅力と力強さに溢れた新作『Full Circle』を語る

写真提供/COTTON CLUB 撮影/米田泰久
 

アコースティック・ジャズ・プロジェクトによる“オール・アバウト・スウィング”

 アルバムをリリースするたびにファンに大きなサプライズ感を味あわせてくれるアーティスト、ブライアン・ブロンバーグ。彼のディスコグラフィには、超絶技巧を駆使してアコースティック・ベースの表現力の限界に迫った『ウッド』や、エレクトリック・ベースやピッコロ・ベースなどを用いてカラフルなサウンドを織り上げた『ベース・アクワーズ』などのワクワク感に満ちたアルバムが並ぶ。そんな彼の最新アルバム『フル・サークル』に盛り込まれた新たなサプライズはドラマー、ブライアン・ブロンバーグ。

BRIAN BROMBERG Full Circle Artistry/King International(2016)

 本作では、ベースやピッコロ・ベースだけでなくドラムもプレイ。一人でリズム・セクションのすべてをこなすブライアンが、アルトゥーロ・サンドヴァルカーク・ウェイラムらの多彩なゲストを迎えて制作した楽しいアルバムだ。今回ほぼ全曲でドラムをプレイするきっかけとなったのは、アルバムの最初と最後に収録されている2曲での父親との共演だと言う。

 「私は今でこそベーシストですが、実は初めて手にした楽器はドラムでした。父親が若い頃プロ・ドラマーだったので、その影響もあり最初はドラムをプレイしていました。その後、14歳でベースに転向してからは、父のドラムと一緒にベースを弾くというのが私の長年の夢となっていました。今回の共演は、父が生前に残したアセテート盤からサンプリングした音源に私のベース演奏をリミックスして作り上げたものなのですが、その収録はとてもスペシャルな体験でした。彼のスピリットやエネルギーに包まれた私は感動のあまり、ベースを弾きながら涙を流してしまうほどでした。その時、私の心の中で大きな変化が起こり、再びドラムを叩きたいという気持ちが湧き上がったのです。父の魂に導かれ、ひとつの円を描くかのようにして立ち返ることのできた自分の原点。タイトルの『フル・サークル』にはそんな気持ちが籠められています」

 目を輝かせながら力強く語るブライアン。その力強さはそのままアルバム全体にも漲っており、グルーヴ感に満ち溢れた演奏がずらりと並ぶ。

 「今回のアルバムのテーマはスウィング。ただし一言でスウィングと言っても、そこには色々な種類のスウィングがあります。このアルバムは“オール・アバウト・スウィング”。ストレートな4ビートや、キューバ音楽、ニューオーリンズ音楽のザディコなど様々な音楽をスウィングという強力なペイストを用いて立体的に組み上げたアルバムです。シンプルでベーシックだけど、ジャズ本来のチャームと力強さに溢れた作品に仕上げることができたと思います。音楽のエネルギーをたくさん感じ取ってもらえると嬉しいですね」

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