歴史的建造物が多く残り石畳の道路やそこを走る路面電車など、趣のある美しい港町ポルトガルはリスボンを拠点にする女性SSWアリーニ・フラザォンのデビュー作。自身が弾く軽やかなギターと歌を基本にしたブラジル音楽にも通じる弾き語りは都会的でありながらそよ風や自然の中に息づく陰影を感じさせリスボンの街並みを想わせる品と美しさを備えている。シンプルな楽曲の中には異文化交流地でもあるポルトガルならではの様々な要素が散りばめられており、とくに彼女の生まれ故郷アフリカはアンゴラの伝統音楽〈センバ〉のリズムがたくみに忍ばせられているのがユニークだ。ボサノヴァ好きにもオススメ。