ソウル・スート、直訳すると組曲“魂”。硬い表現だが、アルバムを聴きながらそのタイトルはとSoul  Sweet、でもいいのではないかと思った。石井彰安カ川大樹則竹裕之と始めたカルテットのメンバーは随分変わったが、川嶋自身の音楽は全く変わらない。今も昔も一つ一つの音、瞬間をとても慎重に吹き抜けていく。ただ以前に比べてアーティキュレーションの確かさが増したのか、さらに深化したのだろうか。音楽が随分優しく、柔らかく聴こえる。彼の求道的な態度は変わらない。思いついめたように聴こえることさえもあった音楽は今、とても軽やかに聴こえてくる。だから、その分トリオの演奏に硬さが聴こえる。しかし、それは新鮮な若さ! からくる緊張なのだ。