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Homecomingsの成長が止まらない! 新たな挑戦へのフレッシュネスとロック・バンドとしての風格溢れたワンマン公演をレポ

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  • 2016.07.08
Homecomingsの成長が止まらない! 新たな挑戦へのフレッシュネスとロック・バンドとしての風格溢れたワンマン公演をレポ

京都を拠点に活動する男女混成の4人組、Homecomings。彼らが5月にリリースしたセカンド・アルバム『SAKE OF BROKEN DREAMS』を引っ提げた東名阪ワンマン・ツアー〈DON'T WORRY BOYS〉の最終公演が、71日に東京・渋谷WWWで開催された。ここでは当日の模様をお伝えしつつ、彼らが新作で見せた進化を改めて浮き彫りにしたい。

開場して30分ほど経ってから渋谷WWWに到着すると、物販スペースとバーが向かい合うロビーは、すでに来場者でごった返している。まず目を引いたのが、今回のツアーで先行販売されている“DON’T WORRY BOYS“の7インチ・シングル。90年代のマンチェスター産ギター・ポップを彷彿とさせるオリジナルもさることながら、B面に収録されている、MC.sirafuザ・なつやすみバンドなど)のスティールパンを加えてトロピカル・ハウスに仕立てた、SECOND ROYALの先輩HALFBYのリミックスはこの夏の1曲になりそうな予感。筆者もつい購入してしまった。

また物販の隅では、どういうわけか中古のギター・エフェクター数個が申し訳なさそうに並んでいる。というのも、この日に寝坊してしまい、自腹を切って新幹線で東京まで来たというギターの福富優樹が、新幹線代をペイするために自身の所有するエフェクターを売っているらしい。ワンマンのファイナルという晴れ舞台でありながら、こうしたローファイなチャーミングさも失わないところが、Homecomingsらしい。

開演予定時間を10分ほど過ぎてから、ライヴがスタート。最新作『SALE OF BROKEN DREAMS』の冒頭を飾った“THEME FROM SALE OF BROKEN DREAMS”SEで流れ、メンバーの4人が登場すると、大きな拍手と歓声が湧き起こる。そのまま同作の2曲目“ALPHABET FLOATING IN THE BED”の演奏へと流れ込み、前作『Somehow, Somewhere』から“I WANT YOU BACK”“SOMEWHERE”と続いた。バンドに少し固さはあるものの、アンサンブルは実に丁寧。リズム感の異なる3曲を、それぞれグルーヴィーに奏でられていることにバンドの仕上がりの良さが表れていた。石田成美によるドラムの、太くまろやかな鳴りが気持ち良い。また、フロントマンの畳野彩加がギターを弾かないパートも増えている印象で、右手でマイクを持って肩を揺らし、踊るように歌う彼女の立ち姿はスター性を備えていた。

 

序盤は“DON’T WORRY BOYS”“DANCING IN THE MOONLIGHT”“BLINDFOLD RIDE”と新旧織り交ぜたセットを展開。“DANCING IN THE MOONLIGHT”では、福富がステージ最前まで乗り出してギター・ソロを炸裂させ、オーディエンスを大いに盛り上げる。また、キュアーClose To Me”のベースラインとヴァンパイア・ウィークエンドDiane Young”のバースト・ギターをオマージュした“BLINDFOLD RIDE”は、予想以上に抜群のライヴ映えだった。

そして、福富の〈前夜に「アウトレイジ」のDVDを観ていて今日は寝坊したんです〉というMCを挿み、ライヴは中盤へ。このあたりでは、これまでになかった挑戦が多く見られ、『SALE OF BROKEN DREAMS』で取り組んだ彼らの新機軸が可視化されていた。まず、畳野がギターを置き、キーボードの前に腰を下ろす。彼女がステージでギター以外の楽器を弾くのは、このツアー以前にはおそらくなかったはず。楽曲は『SALE OF BROKEN DREAMS』に収録され、バンドが初めて鍵盤をフィーチャーした“CENTRAL PARK AUDIO TOUR”だ。青みがかった照明が、このナンバーの持つ柔らかなムードにマッチしている。作曲者であるベーシスト、福田穂那美のコーラスもいつになく熱量が高く、フロアは温かな感動で満ちた。

 

同じく畳野がキーボードを弾いた“ANOTHER NEW YEAR”、そして彼女がギターに戻ってエモ・チューン“MORE SONGS OF PAIN”を披露。ダンサブルな“BUTTERSAND”のパフォーマンスでは、サンプラーでループさせたギター・リフが、畳野のアコースティック・ギターのストロークや軽やかなドラミングと重なり、清涼感たっぷりのグルーヴを作り出していた。


さらに、“GREAT ESCAPE”HURTS”と人気曲を立て続けて、観客は大興奮。なお、“GREAT ESCAPE”はアウトロにギター・パートが追加され、この曲にとっては何度目かのヴァージョンアップを果たしていた。それにしても、前作リリース当時は苦戦していた同曲を、パワフルかつしなやかに演奏するリズム隊の成長っぷりといったら! いま振り返ると、ダンス・ミュージック的なビート感を採り入れた新作の布石になっていたとも思えるこの曲は、Homecomingsにとって転機の一曲だろう。そして、最新作のリード・シングルだった“HUTRS”のアンセム感は言うまでもなく、オーディエンスは両手を挙げて飛び跳ねる。

 

終盤は、疾走感のある“PAPER TOWN”、伸びやかなサビが美しい “PERFECT SOUNDS FOREVER”、そして“LIGHTS”で本編終了。地下鉄の車窓を通して、亡くなった人々の集いを幻視したという情景が歌われる“LIGHTS”では、白い光がメンバーの影を壁に大きく映し出していた。それはまるでゴーストのようで……。演出として意図的かどうかはわからないが、『SALE OF BROKEN DREAMS』の隠しテーマである〈幽霊的なもの〉を最後に炙り出していた。

アンコールでは、〈古い曲をやります〉とファースト・ミニ・アルバム『Homecoming with me?』から“Home”、そして『Somehow, Somewhere』から“LEMON SOUNDS”を演奏。その後も拍手が止まず、〈本当に予定外だった〉とダブル・アンコールに突入し、パンキッシュな“I CAN'T TELL YOU WHAT I'M GOING TO DO”で勢い良くフィナーレ。緊張から解放されたのか朗らかに笑みを浮かべ、お互いの顔を見ながら演奏するメンバーが眩しかった。

 
 
 
 

アンサンブルや曲調の面で破格にヴァラエティー豊かになった『SALE OF BROKEN DREAMS』。この日のHomecomingsは、同作の楽曲をさまざまなトライをしながら、懸命かつ着実に紡いでいった。そして、そこから放たれるフレッシュさは、会場にいるオーディエンスにとっても、実に気持ちの良い空気として伝わっただろう。さらに、4人の堂々たる佇まいとタイトな演奏は、ロック・バンドとしての風格さえも感じさせた。

7月16日からは、新作のツアー第2弾として、KONCOSYogee New Waves角舘健悟シャムキャッツらを招いて、全国各地を回る〈CENTRAL PARK AUDIO TOUR〉が始まり、この夏は〈FUJI ROCK FESTIVAL 2016〉など大型フェスへの出演も控えている。『SALE OF BROKEN DREAMS』の流れを受け、いまなお成長中の彼女たち。近くの街に来た際にはぜひ足を運んで、その進化の最前線を目撃してほしい。

【SET LIST】
1. ALPHABET FLOATING IN THE BED
2. I WANT YOU BACK 
3. SOMEWHERE
4. DON'T WORRY BOYS
5. DANCING IN THE MOONLIGHT
6. BLINFFOLD RIDE
7. FINE
8. SETTLE DOWN
9. CENTRAL PARK AUDIO TOUR
10. ANOTHER NEW YEAR
11. MORE SONGS OF PAIN
12. BUTTERSAND
13. GREAT ESCAPE
14. HURTS
15. PAPER TOWN
16. PERFECT SOUNDS FOREVER
17. LIGHTS
~Encore 1~
18. Home
19. LEMON SOUNDS
~Encore 2~
20. I CAN'T TELL YOU WHAT I'M GOING TO DO

 


Homecomings〈CENTRAL PARK AUDIO TOUR〉
7月16日(土)静岡・静岡Freakyshow
共演:KONCOS/Seussherpiano
7月17日(日)宮城・仙台LIVE HOUSE enn 3rd
共演:角舘健悟(Yogee New Waves)/CAR10
7月18日(月・祝)福島・郡山PEAK ACTION
共演:角舘健悟(Yogee New Waves)/CAR10
9月18日(日)島根・松江NU
共演:後日発表
DJ:TFC
9月19日(月・祝)広島・福山Hot Blues Cafe
共演:Kensuke Yamamoto(full band)/Jigga
9月23日(金)福岡・福岡UTERO
共演:シャムキャッツ
9月24日(土)愛媛・松山Bar Caezar
共演:シャムキャッツ/オノマトペ
DJ:ROCK TRIBE Dj's(Nori/Kondo/Hajime)
9月25日(日)岡山・岡山YEBISU YA PRO
共演:シャムキャッツ
10月10日(月・祝)石川・金沢vanvan V4
共演:後日発表

■フェス出演情報
7月23日(土)FUJI ROCK FESTIVAL 2016
8月27日(土)RUSH BALL 2016
9月3日(土)BAYCAMP 2016

★各公演の詳細はこちら

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