1960年代から注目のグループに参加し続け、その都度、異なる分野での卓抜した演奏を披露してきたデジョネット。キース・ジャレットのトリオでの緩急にわたる技は日本でも人気だった。コルトレーンの未発表作品が次々と発掘され、その軌跡に注目が集まる中、まさにコルトレーン・レガシーとも呼べる2人の直系の子息を従え、父の世界を現在の感性で発展させたと言っていい作品となった。ECM、さらにコルトレーンの世界を超えた3人の現在のジャズの持つ世界はデジョネットの最高の作品の一つに間違いない。オールド・ファンにはジャズの輝きを再認識させてくれる格調高い作品だ。