SERIES

【SANABAGUN.のSANABA談】Vol.5 櫻打泰平(キーボード)がクインシー・ジョーンズのビッグバンド作、ディズニーの名作「ファンタジア」を語る

いま注目のストリートなバンドのメンバーが自身のターニングポイントとなったアルバムを紹介!

Page 2 / 2

【後編】

高岩「さて2枚目は……」

櫻打「CDを持ってこいと言われていたのに、DVDを持ってきちゃったよ、俺は」

ベン・シャープスティーン ファンタジア Walt Disney(1940)

高岩「ミッキーじゃね?」

櫻打「ミッキーだよ(ミッキーの声マネで……動画でお楽しみください)」

高岩「似てる!」

櫻打「『ファンタジア』です! ナメコが踊ったりしてますよ」

「ファンタジア」より、ナメコが踊るチャイコフスキー〈くるみ割り人形〉
 

高岩「これナメコなの!?」

櫻打「ナメコだよ。ナメコが踊ったり、二十日大根が踊ったり、ダチョウが踊ったりする」

高岩「この連載のコンセプトは自分のルーツとなったものを紹介することになってるんだけど……」

櫻打「はい、ルーツとお聞きしましたから、自信を持って〈私のルーツはこれです〉」

高岩「これなんだ」

櫻打「実家にある、小さい頃の俺が映ってるホームビデオを観ると、1歳にならない頃から『ファンタジア』を観てる。観ながら踊ってる映像が残ってるからね」

岩間「『ファンタジア』と共に育ったんだ」

櫻打「と言っても過言ではないですね。1941年だから、第二次世界大戦中にウォルト・ディズニーが発表した作品で、ディズニーの作品でいうと異色だから当初は評価が低かったらしい。でも近年では〈ウォルト・ディズニー最高傑作〉と言われるようになった」

※日本での公開は戦後の1955年

高岩「『ファンタジア』の特筆すべき点というのは?」

櫻打「それまでのディズニー作品は、アニメーションとストーリーがあって、音楽があった。つまりアニメーションに音楽を付けていたんだけど、『ファンタジア』はディズニーのアニメーションを描くクリエイターが、クラシックの名曲にアニメーションを付けている。(アニメが出来上がるプロセスを)逆転させたの。

高岩「『ファンタジア』の曲はどういうものが使われているの?」

櫻打デュカスの〈魔法使いの弟子〉とかチャイコフスキーの〈くるみ割り人形〉を使ってる。ちなみに、2000年には『ファンタジア2000』という続編が作られています」

※ほかにバッハ〈トッカータとフーガ ニ短調〉やベートーヴェン〈田園交響曲〉、ストラヴィンスキー〈春の祭典〉などが使われている

高岩「『ファンタジア2000』ではガーシュインの曲を使ってるよね」

「ファンタジア2000」よりガーシュイン〈ラプソディー・イン・ブルー〉
 

櫻打「お! よくご存知で。〈ラプソディー・イン・ブルー〉、その曲ではNYの食糧難の時代を描いたエピソードで使われています――あ、ひとつ言いたかったのが、青い帽子を被ってるミッキーのイラストがあるじゃない? あれを『ファンタジア』のミッキーだってことを知らない人が多すぎる! わかってないね、みんな!」

※1930年代の大恐慌時代のNYでのエピソードが描かれている

高岩「僕もディズニーが好きなので『ファンタジア』はよく観てましたけど、内容はホラーだよね」

櫻打「そう!」

高岩「それはある種、ディズニーの教えでもあるのかなと思ったんだけど

※「ファンタジア」の各エピソードは、ストーリー性が感じられるものから、そこまでストーリー性を感じないものまでさまざまだが、なかでも〈魔法使いの弟子〉では、悪知恵を働かせてホウキに魔法をかけた弟子が、そのせいで大変な目に遭うという教訓めいたお話。そこで描かれる、蟻の行列の如く登場する大量のホウキたちの描かれ方が結構ホラー

櫻打「そうだね。そして! なんと2015年に、〈ディズニー・ファンタジア・ツアー〉というものが初めて日本で行われました! 『ファンタジア』の映像を流しながら、150人くらいのオーケストラが生演奏するというステージで」

※「ファンタジア」「ファンタジア2000」から厳選されたナンバーが映像と共に演奏された

海外で行われた〈ディズニー・ファンタジア・コンサート〉の模様
 

高岩「そのオーケストラはどこがやっているの?」

櫻打「それは東名阪それぞれのオーケストラが

※東京公演は日本フィルハーモニー交響楽団、名古屋はセントラル愛知交響楽団、大阪は関西フィルハーモニー管弦楽団が演奏を担当。詳しくはこちら

高岩「すげーな」

櫻打「でもこんなにファンタジアが好きなのに……2015年の初演は観逃してしまったんです。それが好評だったので、今年またコンサートが日本で行われることに! 東京は4日間あるということで半年前からスケジュール帳に入れてたの、絶対行ってやると思って。なんだけど、その日に何(の予定)が入ったと思う?――すべてサナバかSuchmosのライヴが入って。東京行けねーやと」

高岩「……〈何が入ったと思う?〉とか言うから、すげーおもしろいこと言うのかと思ったら、案外普通だったな。で?」

櫻打「でも翌週に名古屋でも公演があると。チケットもまだあると。だから、一人旅で、新幹線で、行ってきましたよ。最高だった」

高岩「くぅ~好きだねー! 泣いた?」

櫻打「泣いた、一人で泣いてた。5000人くらいのホールで、一人で泣いてたわ(笑)」

高岩「本当に好きなんだな、『ファンタジア』が」

櫻打「そう、各10分~15分のエピソードがいっぱい入ってるし」

高岩「意外とディズニー観てない人っているんだよね」

櫻打「でも『ファンタジア』を知らない人はもったいないと思うな」

 

PROFILE:SANABAGUN.


高岩遼(ヴォーカル)、岩間俊樹(MC)、隅垣元佐(ギター)、小杉隼太(ベース)、澤村一平(ドラムス)、髙橋紘一(トランペット)、谷本大河(サックス)、櫻打泰平(キーボード)から成る8人組。2013年に結成され、渋谷のストリートを中心にライヴを展開。2014年にファースト・アルバム『Son of a Gun』をリリースして一気に注目を集め、2015年に『メジャー』でメジャー・デビュー。〈SUMMER SONIC〉〈GREENROOM FESTIVAL 〉をはじめとする大型フェスへの出演など、活動の規模を大きくするなか、今年7月に3作目となる『デンジャー』を発表したばかり。直近のライヴ情報は以下を参照。 

SUNSET LIVE 2016
9月4日(日)福岡・芥屋海水浴場・キャンプ場 特設ステージ
★詳細はこちら

SANABAGUN.〈危ないツアー〉
9月22日(木・祝)大阪・大阪 LIVE SPACE CONPASS
9月23日(金)名古屋・JAMMIN’
10月1日(土)東京・渋谷CLUB QUATTRO
★詳細はこちら

TOWER RECORDS SENDAI PARCO「NOrth MUSIC, NOrth LIFE.」presents 「仙台一偶」
9月25日(日)宮城・仙台PIT
出演:SANABAGUN./Suchmos/SPECIAL OTHERSほか
★詳細はこちら

SANABAGUN.のニュー・アルバム『デンジャー』収録曲“Mammy Mammy” 
関連アーティスト
タワーアカデミー
pagetop