複数のプロデューサー体制による前作で持ち前のポップネスを見事に開花させたカナダの双子デュオが、より大胆に弾けて3年半ぶりに帰ってきた。今回は前作からのシングル“Closer”で手合わせ済みのグレッグ・カースティンが全面プロデュースを担当。シーアアデルのヒットに貢献してきた鬼才が、姉妹の作曲センスを最大限に引き出している。全編シンプルなエレポップ・サウンドを背景に、思わず口ずさみたくなるキュートな直球メロディーのみで構成。練り込みまくりのギトギト系ではなく、あくまでもサラリと淡白なのが特長だ。チャート・アクションも好調な先行曲“Boyfriend”ほか、レズビアンの視点から描かれるラヴ・ロマンスを赤裸々に歌っても、とことん涼しげで爽やか。周囲の空気をフワッと軽やかにしてくれるのは、フォーク系を得意とした90年代、DIY系ロックに変身した2000年代から一貫して変わらない。20年選手とは思えぬトキメキに満ち溢れたフィールグッドな快作である。