ニーナ・シモンのトリビュート作に唯一の新人として抜擢されていた、オーストラリア出身の19歳から初フル・アルバムが到着。昨年のデビューEP『Memo』では60年代ヒット〈恋と涙の17才〉をクインシー・ジョーンズの手引きにてリメイクしていたが(本作にも再収録)、アルバムを聴けばお仕着せのレトロ・ヴィンテージ風味では満足しない生意気そうなムードがビンビン。冒頭の“Church On Sunday”を筆頭にビートの立ったヒップホップ・ソウル的な曲も多く、その上で熱く歯切れ良く歌っていく様子がじつに小気味良いし、打って変わってティーンの恋模様をモチーフにした“Hell Of A Girl”では切なげにかすれる表情豊かな歌で魅せる。ロード先輩やエイミー・ワインハウスに通じるスモーキーな歌声は早熟と言えるが、まだ熟しきっていないフレッシュでイキのいい佇まいは伸びしろも感じさせてくれる。表題は〈Forgive My Attitude〉の略だそうだが、大きいのは態度じゃなく器なのかも。