「Blue Note JAZZ FESTIVAL」が1日限りの野外フェスとして開催!

NYのさまざまなクラブやホールで、ジャズの名プレーヤー、そしてジャズのスピリットを持ちながら新たなサウンドを生み出すアーティストが一ヵ月にわたりライヴを繰り広げる一大イヴェント「Blue Note JAZZ FESTIVAL」。今年で6回目を迎え、すっかりNYの夏の風物詩として定着したこのフェスティヴァルが、日本でも昨年に引き続き、今年も1日限りの野外フェスに形を変えて開催されます。会場は横浜赤レンガ野外特設ステージ。目の前に大さん橋、その向こうにはベイブリッジを臨む最高の環境で、横浜の潮風を感じながら音楽を全身で浴びる、特別な体験をしてみませんか。

 

世代もジャンルもクロスオーヴァ―する場を創出するフェス

 昨年に続いて開催されるBlue Note JAZZ FESTIVAL in JAPAN。ここでは、ジャズ・サイドを代表する出演者として、ジョージ・ベンソンマーカス・ミラーゴーゴー・ペンギン、そしてMISIA×黒田卓也の紹介をしていきたい。

ジョージ・ベンソン
 

 今年73歳となったジョージ・ベンソンは2013年以来となる来日だが、長年演奏を共にしてきたベースのスタンリー・バンクスやキーボードのデヴィッド・ガーフィールドら間違いないメンバーに、若き女性パーカッショニストでヴォーカリストでもあるリリアナ・デ・ロス・レイエスを加えた最近のステージは特に好評を博している。

マーカス・ミラー
 

 80年代のマイルス・デイヴィスの活動を支えたことでも有名なマーカス・ミラーは、再び注目を集める存在となっている。プリンスと同い年であるマーカスは、卓越したベーシストであるだけではなく、ファンクソウルやヒップホップへの理解も深いプロデューサーでもある。彼がいなければ間違いなくサンダーキャットのような新世代のミュージシャンも生まれてはこなかっただろう。

ゴーゴー・ペンギン
 

 今年4月の来日公演で大きな話題を呼んだUKマンチェスターのピアノ・トリオ、ゴーゴー・ペンギンも再来日を果たす。アコースティックのみの編成で、まるでエレクトロニック・ミュージックのようなテクスチャー、音色、グルーヴを易々と生み出す彼らのモダンで新しい演奏は野外のステージで更にその真価を発揮することだろう。

黒田卓也 (C)Hiroyuki Seo
 
MISIA
 

 USブルーノート初の日本人アーティストとしてデビューを飾り、ceroとの共演でも話題を呼んだ黒田卓也は、より躍動的で伸びやかなサウンドとなったニュー・アルバム『ジグザガー』を引っさげて、しかもシンガーMISIAとの初共演という注目のステージとなる。

 地元NYで1ヶ月に渡り開催されるBlue Note JAZZ FESTIVALとはまた違うやり方で、一日限りの野外フェスとして、ジャズという名の下に世代もジャンルもクロスオーヴァーする新しい場を創出した昨年の成功を受けて、今年はさらに新たなオーディエンスを集めることになるだろう。 *原 雅明

 

ソウル/ファンクのスーパー・グループ、EW&Fが出演!

 〈ジャズ〉と名の付くフェスは世界各国で開催されている。だが、その多くは狭義のジャズにとどまらず、ジャズから派生した音楽も対象としており、ソウル/R&Bアーティストの出演も多い。この〈Blue Note Jazz Festival in JAPAN〉(以下BNJF)も、昨年の第一回目にはインコグニートハイエイタス・カイヨーテといったソウル系のバンドが出演した。そして今年は、ソウル/ファンクのスーパー・グループであるアース・ウィンド&ファイアー(EW&F)が登場。これまで〈Montreux Jazz Festival〉をはじめとする世界規模のフェスに出演してきたEW&Fがヘッドライナーを務めるということは、BNJFがワールドワイドなフェスに近づいた証拠だろう。また、過日のグラミー賞で注目を集めたクラシックなR&Bシンガー、アンドラ・デイも登場。初来日となる彼女にとってBNJFはこれ以上ないお披露目の場となるに違いない。

アース・ウインド&ファイアー
 

 EW&Fのステージが《September》をはじめとするディスコ・ソングで盛り上がるのはお約束。フィリップ・ベイリーがファルセットで歌う《Reasons》や《Devotion》、《After The Love Has Gone》といったバラードでも客席を魅了するだろう。モーリス・ホワイトは今年2月に他界したが、モーリスの病気療養中からフィリップの息子などを加えた新体制で活動を続けていた近年の彼らは、2013年作『Now,Then & Forever』でも70年代の歯切れよくゴージャスなサウンドを蘇らせていたように、バンドとしてベストなコンディションにある。モーリスのパートもフィリップが地声で歌うなどしており、もはやボスの不在を嘆くこともない。

アンドラ・デイ
 

 一方、スティーヴィー・ワンダーの肝入りで登場したアンドラ・デイは、デビュー・アルバム『Cheers To The Fall』の雰囲気どおりに、エイミー・ワインハウスアデル以降のヴィンテージな感覚でビリー・ホリデイニーナ・シモンを思わせるジャジーで人懐っこい歌を披露してくれることだろう。古い映画のワンシーンを思わせるステージは海外での評判も上々だ。

 ジョージ・ベンソンやマーカス・ミラーも、ジャズ界屈指のプレイヤーでありながらソウル/R&Bと接点が多い人たちだ。特にジョージ・ベンソンは、オクターブ奏法のギターと並んでスキャットを交えたヴォーカルを武器としており、クインシー・ジョーンズと組んだ80年作『Give Me The Night』以降、R&Bシンガーとしても甘く滑らかな歌声を披露。そんな部分にも注目したい。 *林 剛

 


Blue Note JAZZ FESTIVAL in JAPAN 2016
ブルーノートジャズ・フェスティバル・イン・ジャパン 2016

○日時:2016.9.17(sat)開場 11:00 開演 12:00
○会場:横浜赤レンガ野外特設ステージ
○出演:アース・ウインド&ファイアー、ジョージ・ベンソン、マーカス・ミラー、アンドラ・デイ、ゴーゴー・ペンギン、MISIA×黒田卓也、他
bluenotejazzfestival.jp/