ニッケル・クリークのフィドル奏者、かつアイム・ウィズ・ハーのリリースも待たれるサラ・ワトキンス嬢ソロ3作目。前述のグループよりも近年はソロの活動が目立ち、ブレイク・ミルズと作り上げた前作より4年、今作は(クリス・シーリ除く)パンチ・ブラザーズやアイム・ウィズ・ハーの気心知れた面々と作り上げ、一層バンド然としている。ファイストのようなポップソングやイノセンスミッションを髣髴とさせる翳りもあり、そのメロディメイキングに胸を掴まれる。もはやブルーグラス、ひいてはアメリカーナという言葉ですら括るには狭い、一人の女性シンガーとしての確固たる佇まいが光る傑作。