「トリスタン」が映像化。常にその斬新な発想が物議を呼び、今回の上演時も話題を呼んだカタリーナ・ワーグナーの演出によるもの。ポイントの場面場面で〈えっ、そう動く?〉と言いたくなってしまう演出が続出。観ていて驚きはありますが、キャラクターにより象徴的に色分けがなされた衣装、ユニークな舞台装置と共に全編に渡るスケール感のある舞台作りは見応えがあります。そしてティーレマンの下、グールドの惜しげもなく響かせる朗々とした美声、ヘルリツィウスの細身の身体からわきあがるような魂のこもった歌唱、主役2人の熱演、名演ぶりが実に素晴らしい。