INTERVIEW

もうすぐ17歳のピアニスト・牛田智大の新たな挑戦! ムソルグスキーらロシア作品のみで作り上げた新作『展覧会の絵』を語る

(C)Ariga Terasawa

 

愛するロシア作品で新たな面を披露

 デビューから間もなく5周年となる牛田智大が、いまもっとも力を入れているというロシア作品で1枚のアルバムを作り上げた。ロシア音楽の西欧派を代表するチャイコフスキーのバレエ『くるみ割り人形』より《間奏曲》《花のワルツ》と《瞑想曲》、《夜想曲》、ロシア国民楽派の開祖グリンカの《ひばり》、ロシア国民楽派5人組のひとり、ムソルグスキーの《展覧会の絵》という構成だ。

牛田智大 展覧会の絵 UCJ Japan/ユニバーサル(2016)

 「《花のワルツ》はいま師事しているグリャズノフ先生の編曲版を使用しています。チャイコフスキーはオーケストラの観点からピアノ作品も書いているため、すべての音が同時に層となって存在している。そうした作曲面の特質などを先生が教えてくれるため、とても興味深いんです。頭を使って作品を考えるようになり、譜面の読み方が変ってきました。《花のワルツ》はもちろん譜面はあるのですが、レッスンで教えてくれるわけではなく、自分で学んでいきなさいという考え。自主性を求められています」

 牛田智大は、現在モスクワ音楽院ジュニア・カレッジに在籍しているわけだが、さまざまな先生から教えを受け、ロシア作品を中心に研鑽を積んでいる。

 「作曲科の先生の指導も受け、そうしたレッスンが《展覧会の絵》の編曲へとつながりました。ずっとホロヴィッツ編曲版で弾いていたのですが、今回はムソルグスキーの原曲版、リムスキー=コルサコフの編曲版と楽譜をくらべ、自分なりに音をプラスしたり和声を考慮したりして新たな試みを行っています」

 以前は、《展覧会の絵》が好きではなかった。しかし、多くのロシア作品を学ぶなかで、自分なりに編曲を施し、新たな挑戦をしようと思い立つ。

 「ムソルグスキー版を少し洗練された感じにし、リムスキー=コルサコフ版の音を豊かにするよう心がけ、アーティキュレーションや解釈も変えています。プロムナードから異なっていると思います」

 この編曲には半年かけたという。この間、3つの版を編み出し、そのつど先生に見てもらい、さらに練り直して自分が納得いく版を完成させた。

 「ロシア作品以外ではJ.S.バッハの《平均律クラヴィーア曲集》とベートーヴェンの《ピアノ・ソナタ第31番》に目が向いています。近々ベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番《皇帝》を演奏する機会もあり、将来的にはバッハの《フーガの技法》を弾いてみたい」

 夢がどんどん広がっていく。最近は作品の構成や作曲技法にも視野が広がり、“練習魔”に拍車がかかっている。今秋17歳になる彼は、作品の内奥へとひたすら目を向け、新たな側面を新譜に刻印している。

 


LIVE INFORMATION

牛田智大ピアノ・リサイタル
○9/22(木・祝)会場:シンフォニア岩国
○9/24(土)会場:函館市芸術ホール[ハーモニー五稜郭]

仙台クラシックフェスティバル『せんくら2016』
○9/30(金)~10/2(日)

大阪交響楽団『第93回名曲コンサート “リストとシューマン”
○10/8(土)会場:ザ・シンフォニーホール

ハンガリー国立フィルハーモニー管弦楽団 日本公演
○10/25(火)会場:すみだトリフォニーホール
○10/27(木)会場:ふくやま芸術文化ホール リーデンローズ 他

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