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ハヴォックの名を背負っているからには相応の責任がある

――それで、TAKUYAさんがハヴォックに入ったのはどういういきさつだったんですか?

TAKUYA「Fulltonoさんと同じように、僕が練習している動画をYouTubeで見つけてくれて。それでハヴォックのスタイルズっていう奴からメッセージが来たんです。〈俺はハヴォックのリーダーじゃなくてキャプテンだ〉と……その違いはよくわからないんですけど(笑)。で、フットワーキングズのドキュメンタリーDVD『Take Flight』(2009年、邦題『FootworKINGz』)を通してハヴォックというチームは知っていて、すごく格好良いチームなのは知っていたから、〈お、すごい奴からメッセージ来たな〉と思って。〈ハヴォックのスタイルを練習して、チームに入れよ〉って言ってくれて嬉しかったものの、ちょっと大丈夫かな~と思ったので(笑)、直接(リーダーの)ジェイロンに〈スタイルズって奴からハヴォックに入りなよと言われて、俺はすごく嬉しいんだけど、ジェイロンはどう思う?〉とメッセージを送ったんです。そうしたら〈それはすごいね。スタイルズはホントいい奴だし、あいつがいいって言うならいいよ〉と」

ドキュメンタリーDVD「FootworKINGz」のトレイラー映像

――へ~、結構フランクな感じなんですね(笑)。

TAKUYA「そうっすね(笑)。シカゴの人たちも、日本で(フットワークを)やってる奴がいるというのは嬉しかったんでしょうし、当時は俺とWEEZYしかいなかったんで、〈ここだ!〉と思ったんじゃないですかね」

――ちなみにそれはいつ頃?

TAKUYA「2012年くらいです」

――じゃあ始めてから結構早い段階で。

TAKUYA「全然下手くそだった時に(笑)。これがスタイルズの動画ですね↓。彼はいまプロフェシー(PROPHECY)というチームを率いていて、もともとハヴォックから枝分かれしたチームだったんですけど、いまは独立しています。ちなみに僕もそこに入っているんですよ。僕はハヴォックでありプロフェシーであり、日本ではKATA FOOTWORK CLUBの一員でもある、という感じです」

――TAKUYAさんは〈LiL HaVoC〉という名前を授けられていますが、これはもちろんジェイロンから?

TAKUYA「そうですね、襲名というと響きはいいんですけど、俺がジェイロンに〈くれ〉って言ったんですよ」

――あ、そうなんですか!

TAKUYA「ジェイロンが若い時に、プリンス・ジェイロンakaリル・ハヴォックと名乗ってたんです。それを知っていたので、〈おいジェイロン、その名前を俺にくれよ。もう君はリルじゃないだろ、big bro!〉とメッセージを送って。そうしたら〈まさかこんなこと言われるなんて、すげえ光栄だぜ〉とすぐに返事が来た。〈わかった、お前はこれからTAKUYA aka LiL HaVoCだ〉って、2015年8月24日に2代目リル・ハヴォックの名前をもらいました」

――ちょうど1年くらい前ですね。これまたフランクな感じで(笑)。

TAKUYA「でも、それからちょっと時間を置いてジェイロンからまたメッセージが来て、この名前には責任があるぞと。もちろんハヴォックというチームの名前を背負っているというのもあるし、ハヴォックという言葉にはそれぞれ意味があって、HはHaving、AはAll、VはVictory、OはOver、CはCompetition――Having All Victory Over Competition、すべての勝利をぶん捕る、みたいな意味で。でも勝利というのは必ずしもフットワーク・バトルのことだけじゃなく、メンタリティーのこととかいろんな意味が込められている。だからそれを心しなくちゃいけないと。それから、プラクティスはマスト、続けろ、自分に負けるな、といったことを言われて。それで全部わかったよと答えたら、〈よし、お前はリル・ハヴォックだ〉と」

――なるほど~。やっぱり、そういった名前をもらうことで気持ちを新たするところはありましたか?

TAKUYA「やっぱりモチヴェーションは上がりますよね。嬉しかったです」