DFAより登場した3年ぶりのセカンド・アルバム。デュオ編成になったことも影響したのか、これはもうディスコエレクトロ・パンクといった類いのサウンドではなく、シンプルなアシッド・ハウスミニマル・テクノである。ジワジワ変形していくタイトル・トラックはプラスティックマン期のリッチー・ホウティンが作りそうな出来だし、“Slow Listen”や“Wave”あたりはモロに90年代のミニマル風だ。しかし、全編で垣間見える陰鬱なトーンと、思い出したかのように挿み込まれる声ネタに近いヴォーカルからはニューウェイヴ精神が強く感じられ、何よりそこが素晴らしい。〈名は体を表す〉とはよく言ったものだが、ジョイ・ディヴィジョンニュー・オーダーで知られるファクトリー・レコードにダンスフロアを合わせ、ファクトリー・フロアと名乗った時点で、このグループの成功は約束されたも同然だったのだろう。2016年のフロアでうなだれながら浴びたいダンス音楽集!