改めて、驚くほどに淀みなく清らかなフロレンシアの歌声。たるんだ自室の空気でさえ彼女たちが音を共有していた・している空間と同じものになったと、そんな錯覚も起きる。個人の趣向やいまいる環境がどうであれ美しいものは美しくこの独特の存在感には惹かれざるをえないし“音楽”とはどう接するかによって無限に意味や感じかたは広がるのだなとか思ったりもする。現に耳をすませればすます程に見えてくる気がする映像、あるいは景色。ピアノによる伴奏や即興、ストリングス、自然音のようなものからフィールド録音までを用いたモノ・フォンタナのサウンド・スケープはなによりも想像力を刺激する。