Marcin 'groh' Groskiewicz(U KNOW ME RECORDS) 

 

ポーランドの最新音楽事情

 ポーランドの音楽といわれても、たいていの方はあまりピンと来ないのではないだろうか。一般的にはショパンのピアノ曲くらいだし、マニアでもせいぜい映画音楽で有名なジャズ・ピアニストのクシシュトフ・コメダってところか。しかし、現在のポーランドは非常に活気付いていて、ロックやポップスはもちろん、ヒップホップなどのインディペンデント・シーンが大いに盛り上がっているそうだ。そして、その中心に鎮座するのが、U KNOW ME RECORDSである。先日ショーケースのために来日した看板アーティストたちを取りまとめるのは、DJグローことマルチン・グロシキェヴィチ。彼は現在のシーンを冷静に分析している。

 「数年前から、ようやくリスナーがポーランドのアーティストに目を向けるようになったんだ。数万人集めるロックフェスのヘッドライナーを、国内のアーティストが務めることも珍しくなくなったからね」

 2000年代初頭からDJ活動を始めたマルチンは、2002年にレーベルを始動。急激に発展するポーランドの音楽シーンをにらみながら、自身の楽曲だけでなく、新しいアーティストを次々と発掘していった。

 「最初はヒップホップやファンクがメインだったんだけど、エレクトロのアーティストからデモテープが届いたんだ。それで、そういった音楽を世界に向けて発信しようと意識し始めた。SNSもポーランド語ではなく、英語で書き込んだりとかね。そうしたら、UKや他のヨーロッパなどからも声がかかるようになった」

 実際、彼が関わっているアーティストからは、エレクトロやヒップホップというジャンルに縛られることなく、ソウルやジャズ、テクノや最新のベース・ミュージックまで様々な要素が感じられる。

Rysy(U KNOW ME RECORDS)(C)Filip Blank
 

 「どのアーティストもユニークなんだけど、とくに聴いて欲しいのは、今回来日したRysy(リスィ)というエレクトロ・グループかな。彼らはそれぞれ別で活動していたんだけど、ある時一緒にやってみたらすごくいい作品ができて、大きな成功を収めたんだ。世界のエレクトロ・シーンともシンクロしているし、今世界で一番面白いアーティストのひとつだと思うよ」

 マルチンの音楽的追求は、まだまだ飽き足らないようで、今後はフットワークダブ・テクノのアーティストとも契約し、リリースを控えているそうだ。

 「日本のオーディエンスはとてもオープンで素晴らしいね。ほとんどの人が僕らのことを知らないのに、興味を持って聴いてくれた。実は今回共演した日本人のDJにリミックスをお願いしようと思っているんだ」

 日本とポーランドの架け橋になるかもしれないU KNOW ME RECORDSには、今後も注目して行きたい。

 


INFORMATION

U Know Me Records
www.uknowme-records.com
U Know Me Radio
www.mixcloud.com/uknowmeradio
UKMR来日協力:ポーランド広報文化センター
www.instytut-polski.org

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