全国のタワーレコードのスタッフが、己の〈耳〉と〈直感〉だけを基準に世間で話題になる前のアーティストの作品をピックアップし、全店的なプッシュへと繋げる企画〈タワレコメン〉。これまで、Suchmos雨のパレードD.A.N.、洋楽ではチャーリー・プースカイゴホイットニーといった現行シーンの最前線で活躍するアクトをいち早く発掘しており、現在は月1回のペースでオススメのアイテムを紹介しています。Mikikiでは、そんなタワレコメンの選定会議に潜入し、作品の魅力を視聴コンテンツと共にお伝えする特集を連載中! 今回は10月度の邦楽編を速報レポート!!

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タワーレコード本社にて行われたタワレコメンの会議。邦楽担当の腕利きバイヤーたちがオススメのアイテムを持ち寄り、会議室へ集まります。今回も何百タイトルという新作のなかから選ばれた、計11タイトルの音源を聴き比べ、熱い議論の末にタワレコメン・アイテムを絞り込みました。厳しい予選を勝ち抜いたのは……以下の3タイトル!!

 

★2016年10月度〈タワレコメン〉邦楽編:選出アイテム

Nulbarich Guess Who? RAINBOW(2016)

最初に選出されたのは、シンガー・ソングライターのJQ率いるバンド、Nulbarichのファースト・アルバム『Guess Who?』。推薦バイヤーが〈ポストSuchmosの大本命〉とプレゼンしていたように、ソウルファンクをベースにした滑らかなアンサンブルと甘いファルセット・ヴォーカルが重なるサウンドは、実に艶やか。会議では、耳馴染みの良いソングライティング・センスが高評価を受けていて、スタッフからは〈一気にお茶の間層まで浸透するポテンシャルを感じる〉という声も上がっていました。バンドのTwitterでは、『Guess Who?』に収録された楽曲のショート・ヴァージョン音源を順次公開する企画が進行中。現在(9/16)は、“SMILE”が試聴できるので、そちらもぜひチェックしてみてください! MikikiではフロントマンのJQにインタヴューを実施。リリース日の10月5日頃には記事を公開しますよ!

2016年のシングル“Hometown”のティーザー音源

 

Helsinki Lambda Club ME to ME UKプロジェクト(2016)

続いて、東京を拠点に活動する3人組、Helsinki Lambda Clubの初作『ME to ME』が選出されました。シャープなギター・ロック・サウンドと、畳み掛けるように言葉を繰り出すヴォーカルがフック満載。推薦バイヤーは〈ペイヴメントスーパーチャンクなど、USオルタナローファイをルーツに持つ〉と説明していましたが、個人的にはヴューロス・キャンペシーノス!といった2000年代半ばに登場したUKのギター・バンドを思い出したり。なお、今作はアナログフィッシュ下岡晃がプロデュースを担当。タイトでスマートなサウンドメイクが見事で、洋邦問わずロック・リスナーは必聴のアルバムに仕上がっています。なお、Helsinki Lambda Clubもリリースに合わせてインタヴュー記事を掲載予定!

2015年のミニ・アルバム『olutta』収録曲“Lost in the Supermarket”

 

リーガルリリー the Post Biotope(2016)

最後は、東京・立川出身のガールズ・バンド、リーガルリリーのファースト・アルバム『the Post』。メンバーの3人はいずれも10代で、なんとベースの白石はるかは現役の高校生だそう。ヴォーカルのたかはしほのかの可憐な歌声から、よくチャットモンチーを引き合いに出されているそうですが、推薦バイヤーは〈緩急を活かしたサウンドはむしろandymoyiに近い〉と解説。まだ演奏面では拙さがありつつも、音の節々から染み出るヒリヒリとした蒼さは、何物にも代えがたい魅力を放っています。今後さらに成長していくバンドなのは間違いなしですが、まずはいまの彼女たちを聴き逃さないでほしい。そう思わせられるニューカマーです!

 2015年のミニ・アルバム『reagal lily』収録曲“魔女”

 

10月度の選考を勝ち抜いたのは上記の3作品でした! Nulbarichは10月5日、リーガルリリーは10月19日、Helsinki Lambda Clubは10月26日のリリース予定。入荷状況は店舗により異なりますので、気になる方はお近くのショップへお問い合わせください。次回は2016年11月度のレポートをお届けしますので、お楽しみに!