AORは翻訳家かつ実験音楽家でもあるErico Wakamatsu、フレットレス・ベーシストのハマツヨシフミ、murmur recordsを運営し、自身も作品発表を行うYuki Aidaの3者によるユニット。かつてOvalが試みた人為を放棄した電子音の在り方や、フリーインプロ~ノイズの歴史、OPN以降の動向等をナチュラルに取り入れたエキスペリメンタル・ミュージックでありながら、ロック~ヒップホップ的なグルーヴやラップなどを同居させたAORの音楽。現行のエキスペリメンタルを指向するアーティストの中では極めて「今」である必然性と、音の説得力を感じる今後の活躍も思わず期待したくなる逸品。