プロデューサー/作曲家としてのライアン・テダーと言えば百発百中のヒットメイカーであるが、彼が率いるこちらのバンドもコンスタントにシングルを当て、本作で4枚目のアルバムとなる。牧歌的なオープニングからアヴィーチーが好みそうなカントリーEDMカシアスが絡んだフレンチ・ハウス、ピーター・ガブリエル参加のアナログ感満載なシンセ・プログレ、XXロミー嬢と共作したアンビエント気分の耽美ポップ、サンティゴールドとのスタジアム・ロックなデュエットまで、さまざまなタイプの曲を披露。ここ数年のトレンド見本市みたいな内容だ。アルバムとしてのまとまりには欠けても、全体に一貫しているのがスピリチュアルなライアンのヴォーカル。〈白人ゴスペル〉とでも呼びたい、上へ上へと向かう昂揚感と浮遊感で酔わせてくれる。弱い部分をさらけ出しても、常に男気を感じさせるカリスマ性はU2ボノ似!? 良い意味でのナルシストぶりにも惹きつけられる。