2015年12月20日、Bunkamuraオーチャードホールにて録音。曲目は老若男女問わず誰もが知る名曲中の名曲、ベートーヴェン交響曲第9番。この定番曲を指揮するのが今年10月に東京フィルハーモニー交響楽団の首席指揮者に指名されたアンドレア・バッティストーニ。我々が聴き慣れた重厚感溢れ、王者のように貫禄ある「第九」とは異なる。若く荒削りであり、颯爽と流れるような速いテンポで演奏される。しかしそれは、ただ不安定さを感じさせるというより、今まで以上に期待に高揚感をもたらすものである。彼が導き出した最も現代的で且つ、最も原点に近い「第九」が収められている。