マクフライと合体したマクバステッドを経て、バステッドが13年ぶりに戻ってきた。わずか2枚のアルバムから8つのシングルを全英TOP3内に送り込み(うち4曲は1位)、人気の頂点で解散してしまった彼ら。今回の復活アルバムでは、ライフハウスジョナス・ブラザーズらを手掛けてきたヴェテラン・プロデューサーのジョン・フィールズとガッツリ組んでいるほか、フーターズエリック・バジリアンも数曲で参加。80年代っぽいシンセを大胆に導入したメロディアスな王道ロック感が圧倒的だ。かつての彼ららしいパンク曲も確認できるが、ファンクやディスコにも手を広げ、ダフト・パンク風の先行カット“On What You're On”などサプライズだって満載。一旦リセットしたからこそ出来た、〈大人のロック・サウンド〉とでも呼べようか。貫禄の付いたチャーリー、愛嬌いっぱいのジェイムズ、イケメンになったマットの現3人には、どこにでも向かえる自由な空気と生命力が渦巻いている。