第4回冬の始まりに皆さま初めまして。連載も4回目を迎え、とうとう私の番になりました。ヴォーカルのtowanaです。過去の連載でもおわかりいただけると思うのですが、fhanaの男の子たちはレコメンドするのがとても好きで、これ良いから聴いてみなよ、と日頃から教えてもらったりしています。そこで私のお当番回ではリクエストに沿ってひとり1曲ずつレコメンドしてもらい、それを聴いた私がさらに皆さまにレコメンドする、というやり方で音楽を紹介していきたいと思います。今回のリクエストは〈冬の始まりに聴きたい曲〉。

yanokami yanokami YAMAHA(2007)

 kevin君のレコメンドはyanokami“気球にのって”(矢野顕子の同名曲のセルフ・カヴァー)。「こういうサウンドの曲はあまり聴いたことがないのでは」というのもレコメンドの理由のようで、確かにあまり聴き馴染みのないエレクトロ・ポップ・サウンドはとても新鮮で楽しかったです。〈サヨナラ〉というひとつのワードをさまざまな変化を付けながら繰り返し歌う矢野顕子さんの声はヴォーカリストとしてとても勉強になります。後半に入ってくるベルのような音が冬っぽくて可愛い!

 

sleepy.ab archive CHAMELEON(2008)

 waga君のレコメンドはsleepy.ab“雪中花”。聴いた瞬間から雪景色が広がっていくような、まさに冬にぴったりのサウンド。「俺的〈北海道の冬〉っぽいソングのナンバーワン」とはwaga君談ですが、さすがsleepy.abと同じ北海道出身。私は冬の北海道に行ったことがないけれど、聴いているだけでひとり雪の中を歩いているような気分になる、そんな曲。電子音の無機質さと冬の寒さってどこか似ているのかな。そこに乗る暖かいメロディーがとても心地良いです。

 

AZTEC CAMERA High Land,Hard Rain Rough Trade(1983)

 最後は佐藤さん。83年リリースのアズテック・カメラ“Walk Out To Winter”。「この曲への思い入れが強すぎて……」と、もはや丸ごとここに載せられそうな熱い文章と共にレコメンドしてくれました。辛く苦しい〈冬〉に向かって歩き出さなければならない。その先にある希望のために。春のように爽やかなネオアコ・サウンドからは想像もつかない力強いメッセージ。そのギャップにも驚かされ、歌詞を読みながら聴いていると込み上げるものがあります。

  今回は〈冬の始まりに聴きたい曲〉でしたが、それぞれのルーツも垣間見えてとっても楽しかった! 次はどんなリクエストをしようかな。以上、towanaでした♪ またね!

 


towana
佐藤純一(FLEET)とs10rwのyuxuki waga、kevin mitsunaga(Leggysalad)という3人のサウンド・プロデューサーとのユニット、fhanaにおいてヴォーカルを担当。TVアニメ「テイルズ オブ ゼスティリア ザ クロス」のエンディング曲となったシングル“calling”(ランティス)が好評リリース中。さらには来年1月にスタートする京都アニメーション制作「小林さんちのメイドラゴン」のオープニング曲を収めたシングルも同月に登場! その他の動向は、オフィシャルサイト〈http://fhana.jp/〉でチェックを!