いまやすっかり異なるサウンドの呼称として用いられるようになった〈トラップ〉のオリジネイターのひとりでもあるジーズィ。その人気ミックステープ〈Trap Or Die〉シリーズの最新弾は、公式アルバムという位置付けでのリリースとなった。信仰心を強く感じさせた前作『Church In These Streets』から一転、かつてのトレードマークだったスノウマンをアルバム・カヴァーに使用してふたたびストリートへの回帰を図っており、往時を思わせる(オリジナルな意味での)トラップ・サウンドを意識したようなハイハットが鳴り響く不穏でスリリングなサウンドを担うのは、近年の彼には欠かせないD・リッチや、以前より共にトラップ名曲を作り出してきたショーティ・レッドら。この手のサウンドとジーズィのラップの相性は悪いワケがない。フレンチ・モンタナリル・ウェインクリス・ブラウンら、豪華なゲストも配してチャートにも復権(全米1位を獲得)し、やはりファンがジーズィに求めるのはこの路線なのだと実感。