音響メーカーB&Oのエリントン生誕100周年企画盤の相方にNHOPが選んだのは共演経験もないミラーだった。本作はそうした経緯の中での2000年のノースシーでのライヴ録音だ。冒頭曲を聴いてペデルセンの炯眼に唸ってしまう。ミラーが素晴らしい。ピアノの音を少しずつ紡ぎ出しながら彼だけの世界が築かれていく様子が聴き取れる。ソロ交換の瞬間のスリル、そして、第二テーマとも言えるアドリブ自体にインスパイアされてさらに演奏が活気付く様が生々しく記録されている。ごまかしも予定調和もないジャズの世界がここにある。2枚組、たっぷり楽しめる。