ヴァイオリンのバラホフスキーはバイエルン放響の第1コンマス。紀尾井ホール室内管のコンマス陣にも列し、たびたび牽引してきた。ロンドン響にもゲスト・コンマスとして参加、自主制作盤のメンバー表に頻出している。ヴィオラのゼムツォフは元ロンドン・フィル首席、チェロのシュミットは近時ではイザベル・ファウストたちのウェーバー・アルバムに参加していた。そしてピアノは名手ネボルシン。要は選りすぐりの腕っこきたちによる生きのいいブラームス。情感豊かで明暗のコントラストを明快に映し出す。第1番第3楽章中間部での例の天馬空をゆくような頂点、第4楽章での憂愁と熱狂の交替には、判っていても熱中させられる。