ピアノという楽器が生まれ西洋音楽の発展に貢献していることはいうまでもない。18世紀から20世紀にかけてこの楽器と共に、表現方法も楽曲の芸術性も大幅に向上したわけだが、その進歩、否、進化は現在もなおも続いているという事をここまで強く感じられることになろうとは。本盤に収録された12曲の前奏曲は、ピアノの音とコンピュータによる音響処理によって生み出された珠玉の小品集。ピアノによって生み出された音であることに間違いはない、しかしかつて書かれてきたピアノ小品とは根本的に音が違う。現代に生まれたこの「12の前奏曲集」は、“演奏”と“作曲”の無限の可能性を呈示してくれている。