INTERVIEW

ヨタム・シルバースタイン、ストレートアヘッドなジャスから南米/アラブ音楽まで自身の多様な影響映した新作を語る

ヨタム・シルバースタイン『The Village』

(C)亀和田良弘/(C)Yoshihiro Kamewada (C)15th TOKYO JAZZ FESTIVAL

ニューヨークのイスラエル人による、”ひとつの村”としての世界礼賛

 テル・アヴィヴ生まれのヨタム・シルバースタインは、10歳でギターを手にして間もなくその才能を発揮し始め、イスラエルの最先端を行くジャズ・プレイヤーたちから引く手数多の存在となった。ジャズ教育の名門ニュースクールから奨学金を得て2005年にニューヨークに進出し、ジェームズ・ムーディに見出されてからは、モンティ・アレキサンダーからロイ・ハーグローヴディジー・ガレスピー・オールスター・ビッグバンドまで、様々なスタイルのジャズを最高水準の現場で経験した。

YOTAM SILBERSTEIN The Village Jazz&People(2016)

 2003年の『The Arrival』以降、これまでに4枚のリーダー作を発表しているヨタムだが、5枚目となる新作『The Village』はそれらと趣が違う。過去の4枚では、ブラジル音楽やオルガン・ジャズ、ストレートアヘッドと、個々のスタイルに的を絞って取り組んでいたが、新作では、それに加えて様々な南米音楽やアラブ音楽など、これまでに彼が影響を受けたり追求したりしてきた音楽の要素を網羅している。

 「僕は今まで、自分がどんな人間なのかを探求してきたけれど、新作でようやく、その答えを見出し始めたような気がしているんだ。僕はありとあらゆる音楽が大好きで影響を受けているから、新作ではそれらを全て盛り込むことで、自分自身を見出そうとしていた。みんなの演奏も素晴らしいし、僕は作曲家としても自分の“声”が持てるようになったと思っている。音質も素晴らしいし、今まででいちばん強力なアルバムになったと自負しているよ」

 収録曲の曲調は様々で、たとえばスペインのツアーでグラナダを訪れて着想を得た《Albaizyn》では、グラナダに残るイスラム文化の影響とフラメンコの要素が高いレベルで融合し、アルバム冒頭を飾る《Parabens》やヨタムの友人でもあるアルゼンチンの才人カルロス・アギーレによる《Milonga Gris》では、アラブの移民が持ち込んだとも言われるミロンガというリズムが使われている。

 タイトルは彼が現在拠点を置くニューヨークの芸術のメッカであるグリニッジ・ヴィレッジと、“世界はひとつの村だ”という彼の考え方のダブル・ミーニングで、ここにもヨタムの懐の広さがにじみ出ている。

 「中東地域の音楽が地中海を介して互いにつながっているように、エルメート・パスコアールエグベルト・ジスモンチ、カルロス・アギーレなどの南米の音楽も様々な形でつながっている。これは素晴らしいことで、今、どんどんのめり込んでいるところなんだ。こんなふうに、様々につながったスタイルの音楽について学ぶのが楽しくて仕方がないんだよ」

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