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どんどんヤバさを増してきた6人のディスコグラフィーを振り返ってみよう

Suchmos Essence SPACE SHOWER(2015)

初の全国流通盤となったEP。収録曲はいずれも極上のメロウネスを湛えているが、軽やかなAORから泥臭いファンク・ロック、90sなインスト・ヒップホップまで、そのスタイルはさまざま。持ち前のミクスチャーなセンスが早くも誇示されており、現在よりどこか未整理な部分も魅力的だ。

 

Suchmos THE BAY SPACE SHOWER(2015)

DJのKCEEとギターのTAIKINGが加入し、現メンバーが揃ったところで送り出された初アルバム。アーバンなグルーヴに轟音ギターや荒々しいスクラッチを投げ込み、アシッド・ジャズにもグランジにもミクスチャー・ロックにも接続する音像と、不敵なリリックをカマすルーディーなキャラを確立させた。

 

Suchmos LOVE & VICE SPACE SHOWER(2016)

止まらぬ勢いをさらにブーストさせた4曲入りのEP。ソウルのスムースネスをロックなアンサンブルで強化した“STAY TUNE”が多方面に響きまくった。総じてキャッチーな仕上がりだが、ジャジーな“FACE”に色濃いアダルト・オリエンテッドな滋味をもっとも感じさせる作品でもある。

 

Suchmos MINT CONDITION SPACE SHOWER(2016)

新作のモードを予告するようにロッキッシュなアプローチを提示したEP。ブルージーなギターと言葉が投げ掛けられるミディアム・チューン“MINT”のアツさが胸に沁み入る。フュージョン調のサウンドで駆け抜ける“JET COAST”の爽快な振れ切れぶりも印象的で、2016年の夏を美しく彩った。

 

冨田ラボ SUPERFINE スピードスター(2016)

稀代のポップ職人による最新作から先頭を切って公開された“Radio体操ガール”にYONCEがヴォーカルで参加。エレクトロ・ファンクを今様のグルーヴに更新した先鋭的なナンバーで、そのアクロバティックな音の波間を滑るように変幻自在のフロウで泳ぐ歌唱がどこまでも小気味良い。