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BiSH
まだまだ大きくなる6人の、恐るべき途中経過

 1月19日の恵比寿LIQUIDROOMにおけるワンマンでメジャー・デビューを発表し、セカンド・アルバム『FAKE METAL JACKET』のリリースと共に幕を開けたBiSHの2016年。それから3月には品川ステラボールをソールドアウトし、5月にシングル“DEADMAN”でメジャー・デビュー。 6月に始まったツアー〈Less Than SEX TOUR〉の直前に結成メンバーのハグ・ミィが脱退するというアクシデントもあったものの、残る5人で結束を固めてツアーを継続。8月に新加入したアユニ・Dも加え、メジャーでの初アルバム『KiLLER BiSH』が大きな成功を収めたのは衆知の通りでしょう。そんなアルバムのCDリリースから数日後、10月8日に開催されたのが〈帝王切開〉と題されたツアー・ファイナル。会場に選ばれた日比谷野外大音楽堂ではおよそ3,000人が熱いパフォーマンスを目撃したのでした……。

BiSH Less Than SEX TOUR FiNAL "帝王切開" 日比谷野外大音楽堂 avex trax(2017)

 てなわけで、このたびリリースされたのはそんな野音の興奮をパッケージした映像作品「Less Than SEX TOUR FiNAL“帝王切開”日比谷野外大音楽堂」。実際にその後からメディア露出も増やしてファン層が雪だるま式に広がっていった側面もあり、野音ライヴには間に合わなかったという新しいリスナーも多いはず。そんな人たちにも今回のソフト化は有難いに違いありません。いままでにない豪華なステージ・セットも観どころながら、本編のオーディエンスの熱を受け取っては投げ返す6人のエモーショナルなパフォーマンスそのもの。各々の魅力的な歌とダンスは、汗と感情が滲み出た表情と共に、現場とはまた違う角度から確認することができるでしょう。BiSHが〈帝王切開〉して何が産まれたのか、それは言うまでもないはずです。

 なお、初回限定生産のBDにはCDシングルと豪華なツアー写真集がセット(通常盤は映像作品のDVDのみ)。CDには“ヒーローワナビー”と“MOON CHiLDREN”の2曲が収録されていて、以前からライヴで人気の前者はかつて限定的に入手できた曲ながら、当然アユニの歌が入ったヴァージョンは初出となります。もう一方の“MOON CHiLDREN”はモモコグミカンパニーが作詞したもので、シリアスなギター・リフが導くダークで深いロック・チューン。歌唱法もいつもと違うエッジーな雰囲気(特にアユニ)を発していて、各々のまた新しい魅力を発見できるのではないでしょうか。

 ちなみに野音以降のBiSHは、アイナ・ジ・エンドが声帯結節の手術を受けるべく休養し、その復調を受けて年明けから新たなツアー〈BiSH NEVERMiND TOUR〉を行っている真っ最中! すでにソールドアウトしたファイナルのZepp Tokyo公演に前後してニュー・シングル“プロミスザスター”も登場する予定です。4月からは全国20か所を巡る〈NEVERMiND TOUR RELOADED〉のスタートも決まっており、息つく暇もなくガシガシと駒を進めていくBiSH。すでに幅広いリスナーを巻き込んでいるこの熱気は今年さらなる上昇気流を生み出していくに違いありません!

BiSHの2016年作品。