リイシューは冬の口どけ
年が変わろうと区切りも何も関係なく続いていくリイシューの道。まずはモーリス・ホワイトからの繋がりで……ポケッツの79年作『So Delicious』(ARC/Columbia/Expansion)を推薦しておきます。ポケッツといえばEW&Fのヴァーディン・ホワイトがロバート・ライトと共に後見したファンク・バンドですが、何度か復刻された1~2作目に対し、この3作目だけは90年代にCD化されたきりだったもの。トム・トム84やジェリー・ヘイがアレンジした内容はEW&Fの弟分と呼ぶに相応しいディスコ~ファンク大会で、スロウではトム・ベル御大を招いた“La La(Means I Love You)”のヒネったカヴァーなんかもあります。
ディスコ/ブギー系では、アトランタから登場した3人組の泡沫ユニット、フレディ・グレイス&ラインストーンの82年作『Get On Your Mark』(RCA/Funky Town Grooves)と、翌年のEP『Tight』が大量のボートラを加えて初CD化されています。いずれも80年代初頭らしいエレクトリックな軽薄さとシャープな歌唱がポイント。ちなみにこのフレディ嬢は、元から絡みのあったSOSバンドにこの後で一時加入する人でもありますね。
さらにブギーなバンド系で注目したいのは、スカイがサルソウル崩壊後にキャピトルに1枚だけ残した86年作『From The Left Side』(Capitol/Funky Town Grooves)。評価の行き届いたサルソウル時代に比べて忘れられている狭間の作品ながら、ランディ・ミューラーの辣腕ぶりと“Givin' It(To You)”の出来映えはやはり光っています。
そして最後は、知らないうちにディライト時代の7タイトルがリイシューされていた70年代NYを代表するディスコ・バンド、クラウン・ハイツ・アフェアを推薦しておきたいです。移籍作となる75年の『Dreaming A Dream』(De-Lite/OCTAVE)は表題曲のディスコ・チャート首位という大ヒットを生み、続く76年作『Do It Your Way』(De-Lite/OCTAVE)にはDJハーヴィーやセオ・パリッシュもお気に入りの“Far Out”が収録。ディライトはいずれまとめて紹介したく思います。 *出嶌孝次