Playwright, Playback
2012年の始動以来、fox capture planと並走しながら彩りを豊かにしてきたPlaywright。ここでは2016年の成果を改めて紹介しておこう!
2005年に結成され、サンバやボサノヴァを下地にした清涼な歌世界を届けてきたエミコ(ヴォーカル)とc.j.(ギター)のコンビ。タワレコ限定シングル“beautiful days”に続くこのファースト・アルバムは、情緒豊かな日本語詞のポップスとして往年のbirdやorange pekoeを想起させる良品に! “Tristeza”のカヴァーなど、大半の演奏にはbohemianvoodooから木村イオリ(ピアノ)も助力。
レコード番長こと須永辰緒の名物シリーズ〈夜ジャズ〉の、日本産アクトの楽曲をコンパイルする〈外伝〉。その久々の第2弾がPlaywrightから登場したのはレーベルの勢いを窺わせる出来事だった。TRI4THや石若駿、BEMBEらの快演に浜田マロンやT字路sの歌モノも交え、fcpの“Don't Look Back In Anger”でシメる演出がいい感じだ。
伊澤陽一を中心に50人超が集まったスティールパン楽団の2年ぶりのアルバムは、新曲集のCDとライヴDVDから成る2枚組。幾重にも響き合う幻想的なパンの音色が荘厳な表題曲や、曲名通りのメロウな“Twilight”、ポップで軽やかな“Roulette”など、カリブ音楽の消化吸収から先へ進んだ独自の音響世界が壮大に広がる。それら全曲も披露された2015年10月の単独ライヴの模様はDVDにて。
Luigiことカワイヒデヒロも在籍する和製ブラジリアン・ジャズ・バンドの、活動10周年を迎えた節目でのアルバム。前作『NEWDAY』(2013年)と比べてもクロスオーヴァーな自由度を増し、ヒップホップ・テイストに傾いた演奏のタイトさが煌めいている。フルイド“Voce(E'O Meu Amor)”にSuzi Kimの“Try Me”というカヴァーのチョイスも、往年のクラブっぽさを意識したジャストな雰囲気。
前年の移籍作『AWAKENING』の成果を受け、タワレコ限定ベスト盤『MEANING』でも話題を広げたダンス・ジャズ・クインテット。すべてオリジナル曲で固めた今作は、爆音ハード・バップからシネジャズ風、痛快なファンクまで、あえて曲ごとにアレンジの妙と差違をデファインするかのような作りで、活動10周年を迎えたバンドに相応しい持ち札の多さを見せつけた。
ソウルフルな歌声を備えたラッパーとbohemianvoodooのギタリストが互いの呼吸を合わせた2枚目のタッグ作。椎名林檎のカヴァーもコンビの美意識に昇華する歌唱の求心力と快い伴奏の化学反応は、独特の疾走感とブルージーな哀愁も手伝ってグッとくる瞬間を演出しまくり! カタログの幅を広くしているPlaywrightのなかでも、とりわけ幅広いリスナーを惹き付けそうなキャッチーさがある。
両バンドによるEP『color & monochrome』(2013年)をアナログ化したもの……というだけではなく、この後に登場したシリーズ第2弾の音源も先行で収録した、スプリット企画のスプリット盤といった2×2×2の8曲入りLP。bohemianvoodooにとって久々の新録曲でもあった“Golden Forest”はCD版とヴァージョンが異なるという芸の細かさが心憎い(?)。数量限定盤につき、お早めに。