カントリー・シンガー風の趣もある気怠い歌声を織り交ぜた独特な語り口の持ち主で、アレン・アイヴァーソンへのオマージュ的な“White Iverson”のヒットによってメジャー契約をゲットしたテキサスのラッパー、ポスト・マローン。ようやくリリースされたこのファースト・アルバムでもシングルと同じく個性的なラップ・スタイルを最大限に活かし、OVOXOクルーっぽい雰囲気もある靄のかかったような酩酊系トラックでのメロディアスな楽曲がズラリ。リリース前から話題を呼んでいたジャスティン・ビーバーとのコラボ“Deja Vu”でも見事に自身のフィールドにジャスティンを引きずり込み、同様に人気プロデューサーのDJマスタードが手掛けた“Big Lie”も一聴しただけではマスタード・サウンドとはわからないほど、マローン自身のカラーに染めている。そんななか、どんなサウンドであろうとアクの強いキャラを放つ“Congratulations”でのクエヴォミーゴス)は流石だ。