The Black Skirtsのキーボーディストだった過去を持ち、2011年のソロ・デビュー作がPitchforkなど有力メディアでも高く評価された韓国の女性シンガー・ソングライターによる2作目。前作ではバンド時代の延長線上にあるようなネオアコ寄りの音を聴かせていたが、この6年間でNYのカシーンからシングルを出すなど、グッとインディー・シンセに接近。そうした成果が、フルーム好きにもオススメしたいフューチャー・ベース“It's You”や、スパズキッドことマーク・レディートとのコラボ曲“Daytime Disco”あたりにくっきりと表れている印象だ。チルステップ以降を感じさせるトレンディーなサウンドに、エキゾティックなメロディーと透明度の高いヴォーカルを乗せ、韓国語のもたらす不思議な語感も相まって比較対象が見当たらない独特の音世界を創出。耳触りはマイルドなのに、彼女の歌がどうにもこちらの心をザワつかせる。ある程度の覚悟はしていたが、まさかここまで化けるとは! 必聴!