西海岸のガレージ・ロック・シーンで抜きん出た才能を放つシンガー・ソングライターの新作。もちろんバーストしたロックンロールが基調にあるが、電子ノイズやアコギも駆使し、ディスコからヒップホップ、さらにインダストリアルっぽい感覚までを内包したサウンドは、もはや到底〈ガレージ〉の一言では括りきれない。豊富な音楽的語彙を惜しげもなく並べ、19曲のなかでめいっぱい遊び尽くした痛快な出来だ。