NASAの宇宙計画を支えた黒人女性たちの活躍を描くタラジ・P・ヘンソン主演映画のサントラ。ファレル・ウィリアムズの全面制作/書き下ろしで、本人が歌うリズム&ブルース~ゴスペル感覚のソロ・ナンバーに加え、映画よろしく自立した女性シンガーたちの曲を自身との共演曲を含めて収めている。レイラ・ハサウェイとのリズミカルなアップ“Surrender”、シャッフル調のビートで聴かせるアリシア・キーズとの“Apple”やメアリーJ・ブライジの“Mirage”など、全編を貫くのは『G I R L』以降の明快さだ。本編で助演するジャネル・モネイ参加の2曲のうち、ソロで歌った“Isn't This The World”はグロッケンの音などマーヴィン・ゲイが手掛けたオリジナルズを思わせる三連のバラードで、これも含めて映画で描かれる50~60年代の雰囲気を呼び起こす。カーク・フランクリンがペンを交えた“I See A Victory”はキム・バレルがクワイアを従えて誇らしげに歌うチャーチ・マナーのアップ。映画を観る前から昂揚感が伝わってくる力強い音盤だ。