INTERVIEW

伊藤ゴローが語る、誰よりもジョビンを理解するジャキス・モレレンバウムとのデュオ公演―静かなる音楽家同士の共演の醍醐味

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  • 2017.03.01
Photo Takashi Homma
 

極上の空間でブラジルの風を感じる

 ジョアン・ジルベルトアントニオ・カルロス・ジョビンという“音楽の架け橋”で結びついたギタリストの伊藤ゴローとチェリストのジャキス・モレレンバウム。この日本とブラジルの静かなる音楽家は、これまでレコーディングやライヴで共演を重ね、2014年にはオリジナル曲とジョビンの曲などで構成したアルバム『ランデヴー・イン・トーキョー』を一緒に作り上げた。こんな二人が5月20日に銀座のヤマハホールで貴重なコンサートを行う。二人がデュオとして日本で生演奏を披露するのは、2012年以来のことだ。

 「ピアノが入る曲もありますが、基本的には僕とジャキスのデュオのコンサートです。ジャキスとは、去年リオデジャネイロで再会し、僕の新しいアルバムのためのセッションを行ないました。ですから当日は、『ランデヴー・イン・トーキョー』とこれまでの僕のソロ・アルバムからの曲に加えて、若干の新曲も披露するつもりです」

 昨年、伊藤ゴローはレコーディングの合間を縫って、初めてポッソ・フンドにあるジョビンの別荘を訪れた。

 「ポッソ・フンドはリオから車で約一時間半、自然に囲まれた避暑地のような場所で、現在は孫のダニエルが管理している。そこでジョビンは鳥の鳴き声をモチーフに曲を作ったという話を改めてダニエルから聞いたので、新しいアルバムには“ポッソ・フンド”をキーワードとしてジャキスたちと即興でセッションした曲も入れました」

(C)Roberto Cifarelli
 

 2017年は、アントニオ・カルロス・ジョビンの生誕90周年にあたる。伊藤ゴローは、ジャキスのことを「誰よりも深くジョビンの音楽を理解している音楽家」と語る。もちろん今回のコンサートでは、ジョビンの曲も数曲演奏される。ジャキスがコメントを寄せてくれた。

 「私はジョビンの音楽活動の最後の10年間を、バンダ・ノヴァのメンバーとして共に過ごした。ですからジョビンの音楽から多くのことを学びましたし、今でも私が演奏、作曲、さらには音楽について考えるときは、常に彼が側にいるように感じています」

 ヤマハホールは333席の、アコースティック楽器による室内楽に適したホールだ。

 「ギターとチェロだけというのは、やはり緊張します。でも、僕にとってジャキスは音楽的にすべてを委ねることができる存在なので、リラックスして演奏できる。また、ほどよい緊張は素晴らしい演奏を生み出す要素のひとつでもあるので、僕自身も当日を楽しみにしています。せっかくヤマハホールで演奏するので、お客さんには、ギターとチェロの音が消え入る瞬間までじっくり聴いていただけたらいいなと思ってます」

2014年作『ランデヴー・イン・トーキョー』のトレイラー映像

 


LIVE INFORMATION

伊藤ゴロー+ジャキス・モレレンバウム

○5/20(土) 開場15:30/開演16:00
出演:伊藤ゴロー(ギター)、ジャキス・モレレンバウム(チェロ)、澤渡英一(ピアノ)
会場:ヤマハホール
www.yamahaginza.com

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